純喫茶みかづき

ほっとしたい昼。眠れない夜。常時、開店中です。

タフにこの世を生きるために必要なもの

つけ麺をすすりながら、思い出したことがある。

 

あれは高校1年生の春。いやひょっとして夏。
いや秋。
とにかく高校生のとき。
部活仲間と、お昼ごはんを食べたときの話だ。

 

学校から徒歩5分のコンビニに行って、
わやわやとおにぎりやらお菓子やら買って帰って、
カップ麺にお湯入れて、
3分ヘラヘラしゃべりながら待って、
スープの素を入れて、
そこでようやく、箸をもらいそびれたことに気づいた。

  

 

既成事実。
麺はスタートを切った。第3コーナーくらいは回ってる。
不可逆。
もう元には戻れない。

 

わあわあどうするどうするって、
箸もらっておいでよ、
いやもう時間ないよ、
部活に間に合わない理由 
「箸」
とか、先生に私どんなテンションで説明すりゃいいわけ?

あたしと仕事どっちが大事?じゃないけど、
ごはんと部活どっちが大事?みたいな。
いや比べるのが間違ってる永遠の命題なんだけど、
さすがにそれはマズいって、

手で食べる?とかもうトチ狂って、

とりあえず代用できるものないかって、

軽めのあんこを、もう羽生結弦くらい本気で回して、
そらもう必死に考えて、

最終的に、 

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トッポで食べることになった。 

 

もうね、長細いものが、トッポしかなかった。
他、シゲキックスとか、パインアメとかね、どっちかっつーと「かやく」の顔ぶれ。
賛成多数で可決。満場一致。
この状況に置かれたら、誰だってトッポで食べ始める。

  

第一関門は、投下済みのスープの素だ。

 

おそるおそる、トッポでスープの素を湯になじませる地獄絵図。
トッポって、先端のプレッツェル部分にこう、
名実ともに、はみだし者っていうか、
協調性を失ったチョコが付着してて。
ちょいちょいと湯の中でつゆを溶くたびに
そのはぐれチョコも流れ出てる気がして
たいへん憂鬱な気持ちで、箸(トッポ)を動かした。
図らずも隠し味になっていたかもしれない。

 

溶き終えた。
意外と丈夫だ。

もしかしてこれ、ただの名案なんじゃないの?
見守る友人の目も輝きだしている。

 

 いざ、実食!!

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まあこうなるよね。

でも、食べきった。
最終的に何本のトッポが犠牲になったかわからない。

最後のトッポは、しょうゆ味のフレイバーがした。

 

 

醤油ベースの、
口が大きい容器のカップ麺を食べると、
必ずあのときのことを思い出す。

無茶で、ハジケてて、若かった、あのときのことを。

 

さて、メンマでも買ってこようか。