純喫茶みかづき

ほっとしたい昼。眠れない夜。常時、開店中です。

2週の間あなたを待っているわ

日向もえこは一見 平凡なアラサー独女だった。
けっして美少女ではなく成績もよくはなかった。
カネ・キャリア・恋人はなく
小さな雑貨店のしがないへっぽこ店員
いったい誰が…
そう…この小さな独女の胸に熱く激しく燃える炎のことを……
いったい誰が知っただろうか……?

 

ガラスの仮面が、私の心をつかんで離さない。

 

早く4巻が借りたいと騒いでいたのも、もはやとうの昔。
もう、早く28巻を読みたくてしかたがない。

日向もえこ、30歳。
30にして、こんなに激しくのめり込む漫画に出会えるとは、思いもよらなかった。
少女の頃でさえ、こんな熱量で夢中になった漫画はない。

20年前に、出会えていたら。
そんな思いも胸をよぎった。
しかし。

いまだからなのだろうか。
こうした経験を経て、こうした心持ちに行き着いた、
いまの私だから、こんなにものめり込むのだろうか。

北島マヤのけなげなモノローグが胸を打つのも、
その生きざまに心が奮い立たせられるのも、
いまだからなのだろうか。
少女時代に出会っていても、
ここまでの感動は得られなかったのだろうか。

ただ確かなのは、
ガラスの仮面が、「本気」で描かれた名作であるということ。
命のかけらが、注ぎ込まれている。
だからこんなにも、胸を打つ。


なんて、素人の漫画批評なんてどうでもよい。

それよりさ、28巻、いつ返ってくるの?

 

最寄りの図書館では基本、貸出期間は2週間である。

 

最近の私はというと、
ネットでガラスの仮面の貸出状況をチェックし、
次の巻が「貸出可」に変わるやいなや、
火の玉と化して図書館へ参上している。
まるで新作ゲームの発売日に店頭に並ぶ小学生のような心境だ。
図書館開館時刻めがけて入口に並び、
ガラスの仮面だけを胸にかかえて図書館を後にする。

しかし、28巻から先が、
どうやら2週間を超えても、返ってこない。

別のかたが、すかさず借りてしまったのだろうか。
それとも同じかたが、延長してまで読み込んでいるのだろうか。

もういいかげん買ってしまおうかと何度も思った。
でも、一度このまま図書館で全巻借り切ってしまいたい
という真剣な遊び心を捨てきれない。
交換日記は、今も続いているのだ。

私の胸のうちで、姫川亜弓がこう叫んでいる。

「2週よ!
2週の間あなたを待っているわ
いいこと!途中でくじけたりしたらわたし…
あなたを許さなくてよ…!

もし棄権なんてマネをしたら
わたしあなたを軽蔑するわよ!
いいわね2週よ!
あなたはきっとわたしと「ガラスの仮面」を借り合うのよ!
2週間後にあなたがわたしの前から消えていたら…
一生あなたを許さなくてよ…!」

 (ガラスの仮面 20巻参照)

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大好きな亜弓さんを、
思いつきで、こんな適当な形で描いてしまうことになるとは…
読み進めれば読み進めるほど、
亜弓さんが好きになる。

亜弓さんに軽蔑されるくらいならあたし
死んでしまった方がいい…!

 

ガラスの仮面を好きな人に、きっと悪い人はいない。
そう信じて、今日も待つ。