純喫茶みかづき

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コンパクトびっくり箱

アドレス変更に至った経緯は前回お話ししたとおりだが、
変更過程にいくつかの事件が発生した。

 

だいたい電話帳のグループごとに
アドレス変更メールを送ったのだが、
電話帳のメンバーを改めてじっくり整理する中で
とんでもない事実に気がついてしまった。

 

学生時代ゼミで師事した恩師がいるのだが、
先生は学生と言葉を交わすことをひときわ喜んでくださる方で、
我々ゼミ生全員とも、個人メールアドレスで繋がっていた。

 

 

それなのに、先生がどこにも見当たらない。

 

 

あれー、先生、おかしいなあ。
グループの設定はしなかったんだっけか。

そう思って何気なく『友達』のグループを開いて、びっくり。

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いらっしゃるーーーーー!!!!

 

何の手違いか、『友達』に入ってた。
すごいなれなれしい登録してた。
しかもしれっとちゃっきーが肩を並べている悲劇。
ごめんなさい、先生。ちゃっきーと並べてごめんなさい。

 

 

私の電話帳には『先生グループ』なるものが存在する。

そこには主に担任教師や部活の顧問など
お世話になった数名の先生方の連絡先がおさまっている。
登録した経緯は思い出せないが、
おそらく遠征先で連絡を取る必要があったなどの理由だったと思う。
先生はこのグループに納まるべきだったのだ。

 

 

しかしフタを開けてみると
『先生』のグループが一番ヒドい。

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もう、雑。
敬う気があるのか、はなはだ疑わしい登録名である。

 

私は愛すべき先生方に
のきなみあだ名をつけていたものだが
そのネーミングセンスたるや、雑の極みであった。

たとえば『コシ』は
高校のバドミントン部の顧問なのだが
我々新入部員を土曜の部活動で張り切って指導した結果
腰を傷めて病院送りとなり、
日曜の部活動を欠席したことから命名された。
あんなにお世話になったくせに、
もはや本名がすんなり出て来ない。
先生、ごめんなさい。

 

 

それにしても、
アドレス変更の際もはや風物詩とも呼べる、
『エラー通知』。
これがなかなか、哀しいもんである。

 

せっせとグループ別に送るそばから
容赦なく跳ね返ってくるこの残酷な通知。
最終的に、
300人のうち100人からはエラーで返ってくる悲劇。

 

これね、けっこうへこみました。
なんというか、一時期は
「アドレス交換しよー」なんて言われて
確かに結びついていたはずの関係が、
もうほどけて、なくなっているんだな、と。
あのときの地点では、もうないんだなって。
私はそこにとどまり続けているけど、
もう確かに、過ぎ去った地点の話なんだなって。
実におセンチな話であった。

 

ただ逆を言うと、
三人に二人は、
いまだにキャリアメールアドレスを保有し続けているという事実。
感動的なのは、大学時代の
サークル・部活仲間の生存率がダントツで高かったことです。

なんだろうなあ。
やはり、同じものを選び合った仲間は、
何かが似ているんだろうか。

 

 

ところで、送信した中で
父と、上述の恩師から
「メールアドレス変更連絡、確かに受け取りました」
と返信があったのには、なんだかなごんだ。
私のアドレス変更なんかに対しても、
ビジネスメールさながらの律義さ。
メールというツールに、
ビジネスの場面で先に接した世代ゆえの丁寧さなのかもしれない。
味わい深く、ありがたく受け取ったのであった。

 

 

アドレス変更ひとつとっても、
人間模様が浮かび上がってきたりして、
人生ってなんだか、ドラマなのである。