純喫茶みかづき

ほっとしたい昼。眠れない夜。常時、開店中です。

小悪魔なキーワード

運命のいたずらとは、たぶん、そこかしこにある。


ブログを開設してひと月ほど経ったが、
近頃このブログが、ちょっとした悲劇を巻き起こしていることに胸を痛めている。

ときに、
検索キーワードは、小悪魔すぎやしないだろうか。

私は、機械とか、ネットだとか、ITだとか、
なんかそのへんのものに、とてもうとい。
そんな私がブログを始めるなんて、そもそも私自身が青天の霹靂だ。

よくわからぬままブログサービスを使い続けているのだが、
キーワードとブログの間に、いったい何が起こっているのか。
ときどき思いもよらぬキーワードで訪れるかたがいるのだ。


一つ目の悲劇は、先月半ばに起きた。


高校生の頃とんでもない方法でカップ麺を食べた話を書いた直後、
キーワードに導かれた来訪者が、初めて立ち寄ってくれた。

私は色めき立った。
なになに!? どなた!?
どんなキーワードでいらしたの!?

羽生結弦

・・・はて。

羽生、結弦。
どっからのぞき込んでも、羽生結弦としか書いていない。

ちょっと待って。
我らが東北のヒーロー、羽生結弦くん。
私、結弦くんになんかちょっかい出したっけ?
おずおずと該当記事を開く。
そこには、確かに、羽生結弦がいた。
「軽めのあんこを、もう羽生結弦くらい本気で回して・・・」

ええー。
それでココ、ヒットすんのー。

結弦くん、とんだもらい事故。
羽生結弦は、ステップシークエンスでそばを通りがかったところを、
ただこのブログに巻き込まれたにすぎない。

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悲しいことに被害者は羽生結弦のみにとどまらない。
羽生結弦」というキーワードで検索し、
なんの因果かこのブログに引き合わされてしまったそのひとこそ、
この件の最大の被害者である。
羽生結弦」で検索して
東北のアラサー女がトッポでカップ麺食らった話なんか紹介されて、
もう私は明日から何を信じて生きればいいの?ってなる。
知りたかった情報、たぶん1ミリも載ってない。
もう、ミスマッチングもいいとこ。
これが結婚相談所だったら、相談員はもう命をねらわれるレベル。

結弦くん、ほんとごめん。
来てくれたかた、ほんとうに、ごめん。

 

二つ目の悲劇は、つい先日、起きた。


ひとつ前の記事で「フランス人は服を10着しか持たない」をベースとした話を書いたのだが、
この直後、再びキーワードに導かれて来訪者がやってきた。

これがもう、ほんと、頭下げるしかない。
「コスメ」
で来てくださったのね。

もうね、大事故。
「コスメ」で調べたかたに薦めるべきは間違ってもこのブログじゃない。
最新優等生コスメ!とか
使えるプチプラコスメ!とか
そういう情報を求めたかたに、
ボロいズボンがどーこーとか、
あたしのパジャマはびろびろです、とか。
しまいにはちゃっきーって誰だよみたいな。


検索キーワードって、
運命のいたずらというか、
もはやいたずら心というか、
そうして誰かと誰かを結びつけて戸惑わせては
陰でクススと笑っている、
そんな小悪魔的キャラなのだろうか。

でも。
思うのだ。

このミスマッチングに、
ちいさな喜びを受け取り、
あまつさえ、楽しくなっちゃってるのが、私だ。

ガッカリさせてしまったかたには申し訳ないけれど、
タイトルでも、文の一部にでも、
何かしらに興味を持って、クリックしてくれたこと。
そのことが、いかにありがたいことか。
来てくれてありがとうと、心から言いたい。

人生の出会いなんて、たぶんミスマッチングのほうが圧倒的に多い。
何もかもがピッタリ、の中でしか生きたことがない人は、たぶんいない。

それでもその中に楽しさを見出したり、
幸せなことが起きたり、
忘れがたい思い出ができたりしているものだ。

 

だからたぶんこれは、
キーワードが起こしてくれた、一期一会。
そう考えると、これもまた一興。

キーワードよ、ありがとう。
キーワードを通じなくても、
訪ねて来てくださったあなたに、
心から、ありがとう。

まずはなあ。パジャマ買わなきゃなあ。